仕事帰りのフェリー、あるいは夕暮れの散歩道。ふと視線を上げると、海の中にポツンと立つ「乙女の塔」が見えます。同じ景色のはずなのに、不思議と日によって見え方が違います。心が弾んでいる時は、それは海に浮かぶ宝石のようにキラキラと輝いて見えますが、疲れ果てている時には、どこか寂しげで、自分と同じように孤立しているように映ることもあります。
塔が変わったのではなく、変わったのはいつもの自分… そんな日常の何気ない気づきに、シェイクスピアのあの有名な言葉が重なります。
「物の良し悪しというものはない。考え方一つで、良くも悪くもなる。」—ウィリアム・シェイクスピア
日常を黄金に
例えば、朝のコーヒーをこぼしてしまった時。それを「最悪な一日の始まり」と決めつけることもできれば、「お気に入りの服じゃなくて良かった」と胸をなでおろすこともできます。出来事そのものには色はついていません。そこに「不幸」や「幸運」というラベルを貼っているのは、他ならぬ私自身。私たちは無意識のうちに、自分の機嫌というペンで、今日という一日に色を塗っているのです。
人生とは、他の誰でもないあなたの心が世界に光を添え、あなた自身の手で大切に編み上げられていく、世界にたった一つの物語。
何かが起きたとき、深呼吸して「これはどう解釈してみようか」とこっそり微笑んでみる。そんな小さな心の余裕こそが、退屈な日常を黄金色の物語へと変える魔法になります。自分から「ご機嫌な景色」を選び取るとき、あなたの世界はもっともっと、あなたに優しく微笑み返してくれるはずですよ。



