厚い大理石の門をくぐると、そこには街の喧騒を嘘のように吸い込む静寂が広がっていました。古いモスクの中庭。等間隔に並んだアーチが切り取る空はどこまでも青く、中央にある噴水から滴る水音だけが、時を刻むようにリズムを刻んでいます。
今日もバザールの喧騒を離れ、路地裏の静かな噴水の傍らで。古の知恵を紐解く、ひそひそ話が聞こえてきます。
自分の中に平和を築きなさい。もし誰かが『見よ、あちらに!』あるいは『見よ、こちらに!』と言っても、ついて行ってはなりません。真実のあなたは、あなたがたの内側にいるのですから —— マリー・マグダレン
日常を黄金へ
「あっちの方が楽しそう」「こっちの方が得をする」 私たちは毎日、バザールの客引きのような情報の波にさらされています。外の世界が賑やかであればあるほど、「自分は今のままでいいのだろうか」という小さな焦りが、心の中に芽生えてしまうものです。
かつてイスタンブールの歴史を見つめてきたマリー・マグダレンは、そんな私たちに静かに語りかけます。「外側の喧騒に、あなたの平和を明け渡してはいけない」と。
彼女の言う「内側」とは、誰にも、そしてどんな状況にも左右されない、あなただけの聖域のことです。
忙しい手を休め、温かいチャイを一口。その瞬間に感じる静かな心地よさ。それこそが、彼女の言う「平和」の正体かもしれません。幸せを外に探しに行くのを少しお休みにして、今ここにある自分に意識を戻してみる。その小さな認知の切り替えが、ありふれた一日を、世界でたった一つの「宝物」へと変える魔法になるのです。



